No.20
ハゼ出汁雑煮・ドンコの出汁雑煮
特徴
雑煮は日本の正月に欠かせない正月料理の主役である。古くは保臓(臓器を保護する)を意味し、健康食として地方色豊かに産物を配した生活の知恵ともいえるものである。
はぜ出汁雑煮は宮城の代表的雑煮で、海の幸、山の幸など土地の産物をふんだんに用いた豪華さで有名である。松島湾でとれるはぜの焼干しで出汁をとり、凍らせたひき菜、ハラコ、凍み豆腐、からとり、せりなどを入れるのが特徴である。
雑煮用の焼きハゼは、体調21.25cmと大型で、古くから焼きハゼがつくられた。ハゼを串に刺して炭火で焼き、天日で2.3日干す。10匹をワラで編み、1連とした焼きハゼが、正月用として魚屋の店頭に吊るされる。それを買ってきて使うまでは自宅の軒先に吊るしておくのが一般的である。焼きハゼは番茶でもどして甘露煮にする。
もちは切りもちを焼いて用い、すまし仕立てにする。出汁は、地域により異なる。七ヶ浜の裏ではハゼ・アナゴ出汁の雑煮。七ヶ浜の表はドンコ出汁の雑煮である。
※資料:みやぎの食を伝える会編著/ごっつぉうさん.伝えたい宮城の郷土色/河北新報出版センター/H17
材料 (4人分)
- 焼きハゼ4尾
(※地域により、出汁はアナゴ・ドンコを用いる) - だいこん10cm
- にんじん1/2本
- ごぼう1/2本
- からとり(ずいき)1/2本
- 凍み豆腐2枚
- 乾燥しいたけ適量
- かまぼこ1/3本
- ハラコ(イクラ・筋子)50g
- せり1/4把
- 水4カップ
- しょうゆ、塩、酒適量
- 角餅8個
作り方
- (下ごしらえ)
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- ①だいこん、にんじん、ごぼうは太めの千切りにし、ゆでてざるにとり、屋外に一晩おいて凍らせておく。これを「ひき菜」という。
- ②凍み豆腐は湯でもどして短冊に切る。
- ③からとり(さといもの茎を干したもの)は湯でもどして小さく切る。
以上のものを「おこう」という。
- (つくり方)
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- ①鍋に水を入れ、焼きはぜを入れて火にかけ、柔らかく煮て、酒、塩、しょうゆを加えて調味する。
- ②①のなかにひき菜、凍み豆腐、からとりを加え、味がしみ込んだら、かまぼこ、ハラコ(いくら・筋子)を入れて火を止める。
- ③椀にハゼをおき、焼いた角餅を入れ、その上に具(おこう)をたっぷりのせ、せりを添え、熱い汁を注ぎ供する。