七ヶ浜町産の食材を使った郷土料理レシピ集

No.6

アワビご飯

特徴

アワビは「縁起物」でもある。海岸地方では今でも「ハレの日」や来客のもてなしに、アワビ御飯をつくる風習が残っている。室町時代にアワビの干し物を末広に切り、贈り物に添えたのが熨斗の始まりとされる。アワビには中国でも秦の始皇帝以来、不老長寿の伝説があり、古来よりめでたい貝とされてきた。

宮城県の海で採れるアワビはエゾアワビと呼ばれる種類で、上品な磯の香りと柔らかな歯ごたえがとてもおいしい。七ヶ浜以北の岩礁にすみ、宮城県は全国2位(平成14年)の漁獲がある。三陸の海では夏に産卵するので、冬から春が旬である。こりこりした歯ごたえが特徴で、新鮮なアワビを刺身にしてワサビじょうゆや二杯酢で食べる生食が一番おいしい。肝も二杯酢や塩辛にして、酒の肴として親しまれてきた。加熱調理するようになったのは近年のこと。一般家庭ではアワビの肝も入れてご飯を炊くこともある。

貝のご飯ものは、漁師が舟でサラ貝などをみそ味で炊いたりしていたが、やがて家庭でも食べるようになった。

※資料:みやぎの食を伝える会編著/ごっつぉうさん.伝えたい宮城の郷土色/河北新報出版センター/H17

材料 (4人分)

  • 3カップ
  • 水(煮汁+水)3と2/3カップ
  • アワビ(中)2個
  • (A)しょうゆ大さじ1
  • (A)塩小さじ1/2
  • (A)酒大さじ2
  • (A)水1/2カップ

作り方

  1. 米は洗って、ザルに上げて水を切り、30分くらいおく。
  2. アワビは身の表面に塩をまぶし、タワシでこすって粘液を洗い流し、身を引き締める。殻の薄い方から殻と身の間に木じゃくしを入れて身を押し出す。肝などを取り、水洗いする。
  3. アワビを薄い短冊切りにし、Aの調味料でさっと煮て、アワビと煮汁を分けておく。
  4. ①の米に分量の水を入れて炊く。③をのせて蒸らし、さっくり混ぜる。